2017年5月24日水曜日

【陰隲録】功過格表76 何の因果かマッポの手先 三十善 出家神職帰依させよう⑭





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功格五十条(善行のプラス50項目)
・善行の結果として、お礼の金や物品を受けた物を除く

三十善に相当する

◯一人の受戒弟子を度す。



14回もダラダラ続いてきた、出家回も今日で終了です。

というより、功過格が76回目って一体全体、何なんですかね?
100条項終わるまでに、どのくらいかかるのやら・・・。
まあ、いいか!(思考放棄)




【何の因果かマッポの手下】



出家というのは、要するに神仏に仕える職業、つまり宗教のプロを作ることです。

世間には様々な職業があり、それでお金を貰っている人をプロと言います。

出家はこの宗教のプロに該当します。
つまり、出家者や神職は、サービス業としてお金を貰っているサービス業者なのです。

しかし、どんな職業でもそうですが、お上に逆らえば全ての職業は成立出来ません。
許認可が無ければ、商業活動は出来ないのです。

共産国家を見ればわかるとおり、所詮、公権力の暴力で宗教活動は停止出来るのです。

要するに、国家にとって宗教活動は、問題ない商業だと考えられているということです。
それどころか、役に立つと考えられているのです。

では、宗教は国家にとってどんな公共的な役割があるのでしょうか?



【ルール】


大局的に見れば、宗教の公共的な役割は、マネーロンダリングや票田と言った、実務的な役割以上に、人心掌握ツールと言った役割が一番のメインです。


人間は権力で動かせます。
具体的には金や法(暴力)で動かせます。

しかし、金や法だけですと、そのコストは莫大な物になります。

人間の歴史は色々な社会統治の歴史です。
色々な政治形態を実験していますが、金や法だけだと、どうしてもガチガチの支配体制になってしまいます。

これは、秦の始皇帝の法家の統治や、共産主義を見てみれば一目瞭然でしょう。

大衆を統治するのに、金や法だけだと、人心は従わないし、それを抑えるために莫大なコストがかかって結局、自由がない管理社会になってしまうのです。

管理社会は資本主義が機能しないため、最終的には国が消滅してしまいます。

チベットのように、外界から隔離された環境なら可能なのですが、大抵の国家は外国と面していますので、大衆の管理に高コストをかけている国家は、長続き出来ないのです。

大衆の管理コストを低減するための、管理ツールが、宗教です。
前回までに、王権神授説の話をちょろっとしましたが、大抵の国家がその方式をとっているのは、この理由があります。

何しろ、本来、獣に等しい人間という欠陥種を治めるのです。
人を治めるというのは、実は相当難易度の高い技術なのです。

日本の戦国時代を見てもわかるとおり、この狭い日本ですらあの有様です。

世界に至っては、21世紀に至ってもまだ、統一政府など出来ていません。
現在進行形で戦争という殺し合いのパレードの真っ最中です。

聖書を見ても、絶対神ヤハウェという超絶権力者が直接、人々の前に臨場しても、エジプト脱出から約束の地に至るまで、さんざん統治に苦労しています。

三人よれば派閥が出来るのが人間です。
10人の善人がいて仲良くやっていても一人の邪悪な人間がいれば、不和で目茶苦茶になるのが人間です。

万人の集団などもはや制御不能なのです。

ところが、それを可能にするのが宗教です。
王権の権力だけでは、不可能な自主的な倫理遵守を大衆に守らせ、悪政をしても試練だと従属し、おまけに身分制度まで耐え忍んでくれるのです。

殺すな、盗むな、嘘をつくな。
これは、統治者がさんざん大衆にやっていることです。
反乱者や戦争があれば殺すし、税金や戦時徴収で盗み、さまざまな嘘をつかなければ統治はやっていけません。

しかし、支配者側はやってもいいが、大衆がやってもらっては困ります。
大衆が殺し、盗み、嘘をしまくったら統治もへったくれもありません。

お上にその対象が向けられても困るし、何より、円満な市場取引という前提が崩れます。


【無くなる職業】


市場の場で常に殺し合いや盗みや嘘がまかり通ったら資本主義は上手く行きません。

例えば、工場で製品を作ってもそれが市場に届く前に、野盗に略奪されるような国に、資本主義は根付きません。

盗みや嘘も同様です。
契約が守られない社会は、資本主義の信用ルールがうまくいかないのです。
大抵、こういう国は通貨の信用自体が無いのです。

要するに「信用」というシステムが機能していないのです。

この信用という概念は、国の根幹です。
上記した通貨や取引や契約が代表的ですが、これが無いと、国は成り立ちません。

そして、倫理項目はこの信用の構成要件です。
殺さない、盗まない、嘘をつかない。
宗教はこの倫理を管理コスト無しに自発的に機能させる洗脳ツールです。

洗脳されている本人は、神様の罰が怖いからとか、死後地獄に行きたくないとか、陰徳が減るからとか、洗脳された脳で勝手に倫理を守ってくれるのです。

聖書は、神を羊飼いに喩えます。
要するに人間は、大衆は羊なのです。
家畜の中でも最も馬鹿な家畜の羊が、神と権力者と宗教から見た大衆なのです。

この、大衆の調教ツールの宗教のプロが、出家・神職者です。
基本、どんな宗教も必然的にお上に逆らわないようなシステムになっています。
※でなければ、とっくにお上から弾圧されて潰されています。

神仏を拝めば、そのままお上を拝むように設計されているのです。
戦乱の時代があって国家が分裂していても、統一されればまた元通りお上を拝む機能は復活します。

宗教以外のコミュニティは戦乱などであっけなく滅んでしまいます。
権力も金持ちも、数代で滅んでしまうのが歴史の教訓です。
しかし、宗教は何十代も持ちます。
ローマ法王も寺社の座主も、何十代も持っています。

戦乱で表の権力が転覆しようと、裏の宗教権力は残ってしまうのです。
中国の歴代政府が何回も儒教を弾圧しましたが、未だにしぶとく生き残っています。

いずれ情報通信と電脳化で完全な管理社会が出来るまで、宗教はその公共的役割から、滅びることは無いでしょう。
その意味では、あと数世紀は宗教の需要が無くなることはありません。
IT化で無くなる職業は星の数ほどありますが、その中でも長持ちする方だと言えるでしょう。





さて、14回続いた出家の項も、終わりです。
次回から新条項に入ります。





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