2017年6月3日土曜日

【陰隲録】功過格表85 一生、仮想世界の中で暮らすニート人生という楽園 三十善 無法者を教化しよう⑧




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功格五十条(善行のプラス50項目)
・善行の結果として、お礼の金や物品を受けた物を除く

三十善に相当する

◯一人の非為人を勧化し行いを改めしむ。



徳化

儒教には、徳化という概念があります。

相手が無法者(原文は、非を為す人)でも、徳のある人間は、その証明不能な超能力で洗脳してしまうのです。


偉大な君子は、四方の蛮族をその徳により、平定・教化してしまうという国家プロパガンダでもあります。

実際、文明先進国であった中国は、その文明力で周辺国家に、文明を伝えてきたことは周知の通りです。
インドや西洋からも、中国に文明は来ていますが、何せ、独自の文明が大きいので、
少なくとも、ほとんどの文明を輸入してきた日本などの周辺諸国に対しては、説得力は高いのです。






何せ、日本では、

「超イカス土器作ったwwww」
「うはwwwどんぐりうめえwwww」

などと言っていた紀元前500年前には、
すでに、ギリシャでプラトンやソクラテス、インドでは釈迦、中国では諸子百家が出ていました。

三国志ですら卑弥呼より前の時代です。
文明力で言えば、日本とは比較にすらなりません。


 どんぐり美味えぇぇ!




宣伝戦



ただ、別に徳による教化といっても、実際に徳により国レベルで服従した例はありません。

それどころか、中国の周辺諸国は、中原に進出して、中国をボコッて来たのが実情です。

ところが、中国を制した周辺の異民族は、数代もたつと、いつのまにか中国文明にどっぷりと浸り、
中国人と大して変わらないようになります。

それだけ、中国文明の同化力は高いのです。

近代以前に中国に来たユダヤ人ですら、中国に来たらアイデンティティを保てずに、融解してしまっています。




逆に、中国が国力で周辺諸国よりも優位にある時は、朝貢関係になります。

この朝貢関係は、周辺諸国から見たら、単に、軍事力と、文明を導入する利益がメインでなのですが、
いつの世も、建前を本気で信じる人は、一定の割合で存在しますので、
本気で、中国が、徳が高いとか信じる人間が出てきます。

今で言う、欧米は民主主義で日本は遅れてるとか、アメリカ軍の占領憲法の九条を本気で信じてる人たちが、これに該当します。

中共の反日プロパガンダも、この類です。
倫理道徳のプロパガンダは、中国や半島の儒教プロパガンダの一種と豊河は見ています。



江戸時代の儒学者も、中国は儒教国家で聖人君子が治める国であり、日本を侵略して儒教統治して欲しいと本気で思っていました。

まあ、つい前世紀も、ソ連の共産主義を信じていて、
本気で、日本に侵略して解放してくれることを夢見ていた人がいるので、
いつの世も人間の心理は変わらないという実例です。



その意味で、徳化による無条件降伏は、あながち間違いではありません。
直接的に、徳化で無血解放した例はありませんが、間接的に敵国を内部離反させたり、外交包囲網を作って勝利する実例はあるのです。


プロパガンダは、対象国の同調者のスパイを大量に生成出来、
それが、過半数を占めたり、統治者に浸透すれば、無血開城は成功してしまうのです。

善悪の道徳原理で相手を貶めるネガティブプロパガンダは、
相対的に自分側を被害者として善に位置づけることの出来る代物です。

外交的に相手を包囲することも可能で、日本人はこの手の戦略が相当に下手です。
理由は、単純に日本人以外の国と接触したことの無い歴史が原因です。

なあなあの戦争しかしてこなかった日本では、負けると絶滅するという経験が無いので、非正規戦の発達が未熟だったからです。

もっと言えば、日本は「幸運」だったからです。
外敵に踏みにじられる経験、酷い目に合わされる経験が圧倒的に少ない。

四方を海に囲まれた胎内の羊水の中にいるような島国は、外部の侵略を許しませんでした。
唯一の敗北の大東亜戦争も、冷戦構造の中で温情的な扱いを占領国から受けました。

情報戦という弱者の戦法が発達する必要がなかった。
これが、日本に宣伝戦が戦前も戦後もダメダメな理由です。
恐らく、今後も続くでしょう。




情報管理


この徳化という概念は、前項の通り、要するに情報による宣伝戦です。

情報という兵器は、古代から重要な要素であり、
情報を入手する受信、プロパガンダなどの発信ともに、時に戦の大勢を決めてしまいます。
さらに、自国内で統治する際、つまり大衆を奴隷管理するのにも必須の項目です。


現代はさらに、世界が文明化し、ITのよるインターネットが世界を覆い、
株価も選挙も原発すらも、情報化した結果、より情報の重要性がアップしています。

さらに、いずれ一生を、為政者から情報で、頭の中身まで管理される、
ウルトラ情報管理社会が、来ることはほぼ確実です。

その時こそ、古代の儒者が夢見た、完全な徳化による管理国家が誕生するでしょう。



管理される大衆が、
「支配層のことを絶対に疑わない」形式か、
それとも、
「自分たちは自由な市民だと本気で勘違いしている」形式か、
どちらかの管理社会はわかりませんが、実質的に同じです。

前者は儒教式の管理社会で、後者は老荘式の管理社会です。





前者はそのままのディストピアですが、後者は、もっとたちが悪いディストピアです。

大衆が、自分たちの意思で行動したと信じているけど、実際は、全て管理された社会。
デモも、テロも、戦争も、
進路も、職業選択も、会社選択も、
友人も、恋愛も、結婚も、
趣味も、性癖も、宗教も、
全部、自分で決めたと、自由意志があると信じているけど、実際は、全て管理された社会。



これらの社会がいいか悪いかは、単純に、決められません。

下流階級が無く、中流階級がそこそこ豊かに暮らせるならば、人類史上で、最も、善良な社会です。
何せ情報化が徹底されれば、居場所や行動や思考そのものが証拠に残るため、
(ハッキングによる改竄は別として)犯罪の抑止や公平な裁きが可能になります。
犯罪や冤罪で苦しむ人がいなくなるのです。


戦争と奴隷制度と犯罪を延々とやってきた、人類と言う度し難い生物としては、上々なゴールと言えます。

人類は、ようやく文明の終わりを達成したのです。

神はわれらの羊飼いという聖書の理想は、ここに完成しました。
全人類を羊として管理する神に至らんとする理想は、ようやく実現したのです。



本来なら、ここでめでたしめでたしとなるのです。

しかし、上記の人間のゴールに対して、支配された家畜は嫌だという、わがままな人は当然、存在します。
馴致不能な無法者の存在です。





というわけで次回に続きます。

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