2017年6月16日金曜日

【陰隲録】功過格表98 下から上に逆流するとろくなことがない。火山の噴火や吐き気やトイレなど 三十善 無法者を教化しよう⑳





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功格五十条(善行のプラス50項目)
・善行の結果として、お礼の金や物品を受けた物を除く

三十善に相当する

◯一人の非為人を勧化し行いを改めしむ。







無法者の話です。
というより、何で無法者の話だけで20回も語っているのでしょうか?

基本、お筆先自動書記のブログですが、そんなに、無法者が好きなのか?
豊河に書かせている神仏(神仏なのか?)。

もう強引にでも打ち切って次の条項に行きましょう。



信じる者は救われる


無法者を教化しようというテーマですが、そもそも、教化という言葉に、現代人の豊河は、そこはかとない狂気を感じます。

要するに、自分が絶対的に正しいという狂信者的な意識にです。

現代人の豊河や皆さんは、当然ながら、現代日本人として、相対的な論議の教養を受けていますので、絶対的な正義の信奉者を見ると、違和感を感じてしまいます。
※感じない読者様がいらっしゃいましたら申し訳ございません。

これは、日本が文明の周辺諸国であることや、先の大戦の敗戦国であることなども、間接的に関係していますが、やはり現代では情報技術の発達によって、多くの視野の情報が入手出来ることが、要因として大きいでしょう。

一つのことに囚われていると、時代の流れについていけないからです。

元々、諸行無常の法則は、昔から(宇宙が生まれた時から)ありましたが、その速度が加速化しているのが現代です。

その原因の、資本主義の回転スピードは、いずれギアがぶっちぎれるまで、加速化します。
その後は、クラッシュするのか、新しい地平線へと辿り着くのかは謎ですが。



ヘリウムガス



さて、その無法者の教化ですが、基本的に、これは、上位の者が下位の者に対して行うタスクです。

サーカスで人間がライオンを鞭で調教(教化)しますが、逆はありません。
豚と女王様も同じです。
腐女子たちが無想する受けと攻めの関係も同じです。

グローバル資本から国家政府から企業、学校から家庭まで、常に上から下に教化していきます。


これは、単純に重力の関係です。
重力は地球の中心へ引っぱるので、常に上から下に落ちるのです。

これは自然の現象ですので、人間が逆らっても馬鹿を見るだけです。
常に重力は上から下に行くのです。

だとすれば、じゃあ、精神は堕落していくのが自然なのだと早合点する人もいます。
一見、そう思えるのですが、しかし、やっぱり自然の法則で、軽い気体は、逆に空に昇ります。
精神や魂は元々、重力に逆らって、上に上がるようになっているのです。

では、なぜみんな堕落するのか?
と言えば、簡単です。
大地に執着するからです。

人間は何だかんだ言いながら、上には生きたくないのです。
いつまでも大地の母に抱かれながら、安定した子宮の中で安らいでいたいのです。

物質への執着は、何百万年も何億年も、この地球上で生きてきた遺伝子に刻み込まれているのです。

ではどうすれば、上に上がれるのでしょうか?
このラットレースからどうすれば一抜けた!状態になることが出来るのでしょうか?



猿ゲットだぜ!


実はその解決法はやはり先程の重力にあります。
自然的な法則に従えば、このラットレースは抜けられます。

魂や精神は軽いので本来上に上がるべきなのですが、大地に執着しているため上がれないと先ほど述べました。
要するに、上に上がる自然の法則に逆らっているわけです。

この逆らっている原因は、物質に執着して保持しているためです。
ほっとけば上に上がるのに、無理に岩にしがみついているような感じですね。



この抱えている大地の重しを放り投げれば、ヘリウムガスの魂は、後は勝手に上昇していきます。
原理としては簡単な自然法則です。

世俗の人間は、自分のために一生懸命抱えているものが却って自分の足を引っ張って、苦役の輪廻を回る原因になっています。

よくある笑い話として、次の話があります。

猿をとらえるのに、穴の中に餌をおいてあるが、猿が手を伸ばして届く位置にある。
しかし、餌を握ると、穴につっかえて取り出せない。
しかし、猿は、餌に執着しているので、猟師が来てもまだ餌を手放せずに、捕まってしまう。

この猿は実は我々と同じです。
人間は猿から進化しましたが、根本的なところでは、全く進化していないのです。
むしろ、知能が発達した結果、執着の対象が増加しているくらいです。

本来、自然現象で勝手に上昇する魂や精神とは逆に、物質は重力という自然現象で勝手に落下します。
それを、執着で捉えていることで、二重に自然に逆らっているわけです。
それを離せば、魂や精神は上昇し、物質は落下するという自然本来の状態に戻ります。



自然に還れ(文化大革命とかポルポトとか)


自然から離れる人為は良くないという思想は昔からあります。
それこそ、今から見たら土人レベルの文明の紀元前からあります。
老荘思想などが代表的ですが、今でも、自然を愛するナチュラリストは世界中にたくさんいて、文明を否定しています。

さらに、たまにクジラを殺す日本を襲撃したりするとエコ・テロリストもいたり、国レベルで文明を否定して農業させたりする輩もいるくらいです。

自然に還れというスローガンは、人間の根源的な何かに訴えるものがあるのでしょう。

で、この人為によらない自然の摂理というのは、世界にデフォルトで存在しています。
諸行無常もそうですし、錬金術の等価交換の原則もそうですし、そもそも錬金術の発展系の現代科学体系も同様です。

科学法則は正しい手順に従わなければ、効果は発揮されません。
2H₂ (水素) + O₂ (酸素) = 2H₂O(水)
の化学式は誰もが知っています。
別に人間が生まれる前からこの化学式の法則は自然に決まっていたのです。
これに逆らっても、無駄ですし徒労です。
水素と酸素をぶつければ否が応でも水は出来てしまいます。
人間がいかに嫌だと言っても太陽は西からは登らないのです。

要するに自然に逆らわずに生きていけば楽に生きられるのです。







例えば、中国の易は、この自然法則を人間世界に応用出来るようにしたものです。
その中で、正反対の性質を持つ、二つの易があります。 山沢損と風雷益です。

山沢損は下の池から上の山に、土を掘って上に上げる形ですです。
その結果の象意は損という不吉な象意です。

当たり前の話ですが、自然現象は上から下に重力があるため、ヘリウムガスの魂や精神ではない限り、物質は下に落ちるのが自然です。

山沢損は自然に逆らっているため、損なのです。

反対に、風雷益は、上から下に落とす形です。
上を 損(へら)して、下を益(ま)す。
とあります。
重力という自然法則に従った結果、益という吉報なのです。

本来、重力に従って勝手に落ちる物質に執着して、無理やり上に持ってくれば、損なのです。
魂もそれが重しとなって大地に拘束されます。

物質は下に落とせば重力に従って楽になるのです。
魂も上に上がって、益になります。

ここに、陰徳と再分配の自然性の正統性が存在しています。



放射能物質を地中に埋めるが如く


上に上がるには、どうすれば良いのか?
持っている物質を下に捨てれば良いのです。
世界には貴方よりも恵まれない人がたくさんいます。
貴方にとっての贅肉は下位の人たちの飢えからの救いです。

上に立つ為政者は、重力に従って物質を下に、落とす必要があります。
それが、自然なのです。
この自然の法則に逆らえば、国は乱れ、天変地異や兵乱が起きます。
ご丁寧に、易経を産んだ中国が自分たちの人体実験の結果を歴代王朝の歴史で見せてくれます。

上に立つものは下の無法者を教化します。
これは自然の法則です。
そして、物質である富を下に落とす役割があります。

ところが、大抵の為政者は、教化はするくせに、物質は上に置いたままです。
下からひたすら巻き上げるという自然に逆らうことをしています。

しかも、本来、無法者を教化することが、単なる反乱を抑える馴致になっているのです。

自然に逆らえば、ろくなことはありません。
下から上に搾取することは、自然は山沢損とみなします。

待っているのは、損の自然的法則だけです。
物質に執着するその反自然的行為は、文字通り大地に拘束されます。
地の獄である地獄に囚われるのです。

為政者が搾取するだけの国は、やがて地獄が地上に到来します。
我々が、物語として楽しんでいる三国志は、漢王朝末期の腐敗した搾取から始まりましたが、その結果が当時の中国の人口の三分の一しか生き残れなかった地獄です。
三分の二は三国志の地獄で殺されたのです。



以下は、いつもの菜根譚の天の賊です。



天、一人を賢にして、以て衆人の愚を誨んとす。
而るに世は反りて長ずる所を逞しくして、以て人の短を形わす。
天、一人を富ましめて、以て衆人の因を済わん。
而して世は反りて有する所を挟みて、以て人の貧を凌る。
真に天の戮民なるかな。 

世の中には星の数ほどの人がいますが、その中から天は、一人を選び、賢人や富者にした。
その理由は、衆人の愚を救い、貧を救うためにその力を与えた。
しかし、いざ賢や富を与えると、その使命を忘れ、衆人を侮り搾取する存在に成り果てた。
これこそが天の賊というものである。



さて、長々と20回もやってきた無法者の章もようやく終わりです。

次回は、次の条項に行きたいと思います。









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